良質な被リンク
さて前ページで一度触れた通り、ウェブページの評価の一部は、概ね下記のような式に基づき、総合的に評価されます。
被リンク(バックリンク)元のページの評価 × リンク数 + α
少し大げさにいえば、評価の低いサイトからの被リンク1000件よりも、 評価の高いサイトからの被リンク1件の方がより効果的であるということです。つまり、
被リンク数よりも、被リンクの質が重要である
ということを暗に示しています。これは、例えば誰もが
「仕事のできない人に紹介されたコンサルタント」よりも
「仕事のできる著名人に紹介されたコンサルタント」の方が信用できる
と感じることと同じように、検索ロボット(検索エンジン)も同様に、
「低評価のサイトからリンクされているサイト」よりも
「高評価のサイトからリンクされているサイト」の方が信頼できる
に「違いないだろう」という考えに基づいています。
オールドドメイン
ドメイン(www.sample.co.jp等)には、年齢(ドメイン取得からの経過年数)があり、若いドメインよりも古いドメインの方が評価が高いことが知られています。
オールドドメイン(古いドメイン)からの被リンクの方が効果的
であり、特にドメインエイジ3年以上のサイトからの被リンクが効果的であることが知られています。
発リンクは少なく
自身のサイトから外部のサイトへのリンクを発リンクと呼び、発リンクが多くなるほどひとつの発リンクに与えるSEO効果が低くなることが知られています。つまり、
発リンクの少ないサイトからの被リンクの方が評価が高い
ということであり、特に発リンク50件以下のサイトからの被リンクが効果的であることが知られています。
クラスC以上のIPアドレス分散
Google[グーグル]が発表した特許 Patent:6725259B1 によると
クラスC以上でIP分散されているサイトからの被リンクを優先的に評価する
ことを明言しており、 Google[グーグル]、Yahoo[ヤフー]共に同一IPアドレスからの被リンクの評価を下げる処置を行いました。
IPアドレスとはインターネット上の住所のようなもので、サーバ機器やパソコンをはじめとしたインターネットに接続している通信機器の1台1台に割り振られている識別番号のことを指し、全てのホームページ・ウェブサイトにもIPアドレスが割り振られています。
さらにIPアドレスは、 クラスA、 クラスB、 クラスC、 クラスD、 クラスE の5つのアドレスクラスに分類され、
※クラスEは、TCP/IP(IPv4)の開発当初より実験用として予約されており、実際に使われることはない
クラスDの値のみ異なるIPアドレスは同一サーバ上に設置されていることを示し、
* 219.94.163.168
* 219.94.163.XXX
* ・・・
クラスC以下の値が異なるIPアドレスは異なるサーバ上に設置されていることを示します。
* 219.94.163.168
* 219.94.XXX.XXX
* ・・・
つまり、例え異なるドメイン・サイトからの被リンクであっても、
同一サーバ上で運用されているサイトからの被リンクの評価は低い
ということです。
レンタルサーバが普及している現在、同一サーバ上で運用されているサイトが沢山あることから、相互リンクなどで完全にIPアドレスを分散させた被リンクを取得すること困難なのです。
間違いだらけの被リンク対策
SEO対策が企業のマーケティング手法のひとつとして注目を浴び始めてから、個人・法人を含めた多くの事業者がしのぎを削っており、 SEO対策を専門とする業者が急増した他、アクセスアップと称した多数の相互リンクサービスサイトが急増し、安価な被リンク対策ツールも普及しました。
これらにより、今では数1,000件の被リンクを数100~数1,000円で簡単に取得することができます。
しかし、これこそが盲点であることを忘れてはいけません。
「過剰な相互リンク」や「被リンク対策ツール」は検索順位の低下を招く危険性があります。
皆さんが日常的に利用している Yahoo[ヤフー]、 Google[グーグル]、 Bing[ビング]等の検索サービス。
これらの企業で働いている技術者は、ご存じの通り世界でも有数の技術者達。彼らをあなどってはいけません。
被リンク対策ツールや過剰な相互リンクなどによるウェブページ評価の人為的な操作に対する対応として、これらの検索サービス提供も 日々ウェブページの評価ロジックを改善しています。そして今では、下記が定説として知られています。
「過剰な発リンク」や「短期的な被リンク増加」はスパム行為として検索エンジンに判断される
相互リンクサービスなども無料で利用できるものが多いことから、過剰な相互リンクを実施してしまい、結果として自身の管理するウェブページの評価を下げてしまう方が多いのです。
また、被リンク対策ツールの多くは、使い方もいたって簡単で安価で手に入るため、効果の善し悪しを理解せずに利用してしまう方が多いのが現状です。
しかし、 スパム行為によって検索順位が低下したドメインの復活はほぼ不可能であることを忘れてはいけません。
過剰な相互リンクは控えウェブページからの発リンクは一定数に抑える
あくまでナチュラルに被リンクが増加するように中長期的に被リンク対策を実践する
これこそが、 効果的な被リンク(バックリンク)対策、強いてはアクセスアップへの近道なのです。